
コミックバンドというお笑いジャンルをご存知であろうか?
楽器を持ったグループが音楽コントをやるジャンルだが、世間で認知されたのはハナ肇とクレージーキャッツあたりからでその後、あのザ・ドリフターズ、そのドリフから分派したのが小野ヤスシ、ジャイアント吉田がいたドンキーカルテットなどが有名である。
昭和の絶滅危惧種芸能だがモト冬木やグッチ雄三などが在籍したビージーフォーもコミックバンドであり、平成になっても活動を続けた。
私は牧伸二が司会を務めた人気寄席番組「大正テレビ寄席」で幼少期育った世代。
色物さんが中心の番組だったがその中でも好きだったのがドンキーカルテットである。ネタではラテン音楽の「マラゲーニャ」をG吉田が延々にファルセットをかけて唄い自己陶酔しているのだが、他のメンバーはあきれ果てて舞台で寝だしたり、弁当を食べだしたりするといった内容。
ドリフにも似たようなラテン音楽ネタがあったが、この辺りの話は別の機会にでも。
さて上記のクレージー、ドリフ、ドンキーと並んで4大コミックバンドと称しているのが今回、紹介するバラクーダ―である。
オリジナルメンバーは岡本圭司さんとベートーベン鈴木さんの二人。岡本さんがツッコミでベートーベンさんがボケといった役割分担か。
「日本全国酒飲み音頭」や「チャカ・ポコ・チャ」(今では放送が無理な詞の内容)、「演歌・血液ガッタガタ」などのヒット曲があるがどちらかというと演芸色の強いグループであり、活動拠点も今はない浅草・松竹演芸場や東洋館だったので寄席の色物さんの要素も強い。
またボーイズ・バラエティ協会に所属していたのでボーイズグループと間違われていたようだが、岡本圭司さん自ら我々はボーイズではなくコミックバンド、それも日本4大コミックバンドのひとつだとこの話になると語気を強められる笑
ボーイズは戦前からある芸で坊屋三郎、益田喜頓、川田晴久などが在籍した「あきれたぼういず」がその名称のルーツになっているはず。
戦後は「地球の上に朝が来る」のテーマソングで有名な川田晴久とダイナブラザース、その川田の弟子で10年ほど前まで活動をしていた灘康次とモダンカンカンや多くのボーイズグループが存在していた。
しかしながらキャバレーの減少など仕事場がなくなって行き、現役は今年60周年を迎えた東京ボーイズぐらいであろうか。
ムード歌謡コーラスの衰退と状況が似ている。
コミックバンドの誕生は戦後であり、進駐軍などによるジャズが盛んになるにつれて新しい笑芸ジャンルとして誕生したのではないか。クレージーキャッツももとはジャズ出身である。
私はコミックバンドやボーイズなど楽器を使った笑芸が好きで、ボーイズ協会主催の浅草東洋館によく観に行っていたが、たまたま10年ほど前に岡本師匠に挨拶することが出来て、それから楽屋見舞いをさせていただくようになったのがご縁である。
タブレット純さんを紹介してくれたのも師匠であり、純さんの鎌倉タミー1回目ライブの時はゲストで来ていただいだ。
若い頃はロカビリー歌手で平尾昌晃先生の弟子、お笑いの方ではデビューしたばかりのあの横山やすしと漫才を組んでいた時期もありドリフにも入る話が半分決まっていたとか。。。
まあレジェンドである。
岡本さんの相方、ベートベンさんとも面識があるが今は東京演芸家協会会長で音楽センスがある師匠であるが、バラクーダ―時代、よくテレビに出ていた頃はビートたけしを意識した芸風だったと記憶している。
また舞台に登場すると冒頭で必ず「中小企業楽団 バラクーダ―」と岡本さんが挨拶していた。
ちなみにオリジナルの名称はバラクーダ―だが、1986年に一度解散。その後、岡本さんが3人組の「バラクーダ」を結成するが「ー」が抜けている。これはベートーベンさんがやっていた頃のオリジナルと分ける意味で名前を変えている。
初代バラクーダー解散後、岡本さんがミュージカルぼーいず(ボーイズ演芸のレジェンド)のリーダー志村さんが亡くなり、メンバーであったオサムさんとスタジオミュージシャンであったお兄さんの及川ちかしさんを入れて3人組バラクーダとして長く活躍していたが諸般の事情があり、最近は活動が停止してしていた。
この度、岡本さん&ベートーベンさんで38年ぶりの復活となった。
岡本さん83歳、ベートーベンさん79歳、このお齢での再結成。昭和のコミックバンド芸の存在と伝承、その面白さを知らしめてもらいたいものだ。
12月18日のBSフジ「時昭和歌謡パレード」にお二人で久しぶりの出演、デイリ―スポーツでも今回の再結成が紹介されている。
*写真 上から「時昭和歌謡パレード」画面 岡本さん60周年記念パーティでの3人組バラクーダ(2019年)


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